今回のテーマ
不妊と喫煙
皆さんご存知のように喫煙は「百害あって一利なし」といわれ、体の隅々に有害物質が浸透し様々な
健康被害を生みだすといわれています。
妊娠すると女性は胎盤を通して胎児に栄養を与えます。しかし、喫煙しているとニコチンの作用で胎盤が
血管収縮をおこし血流障害をおこしやすくなります。
さらに一酸化炭素がヘモグロビンと結合することで
安定した酸素を胎児に与えられなくなり、胎児が十分に成長できなくなるおそれがあります。
母乳にもニコチンが分泌されるため、新生児にニコチン中毒症状が現れるという報告もあります。
乳幼児突然死症候群(SIDS)という非常に怖い病気のリスクさえも上昇させるといわれます。
さて、妊娠準備中はどうでしょうか?妊娠したらやめようと思っている方、特に男性は、離れて吸って
いれば大丈夫と思っていませんか・・・?意外と知られていない妊娠前の喫煙の影響をあげてみます。
◎女性の喫煙者は、卵巣予備機能(AMH)が非喫煙者に比べて低いというデータがあります。卵巣の老化
を加速させ卵子の質が低下することで妊娠率の低下、流産率が上昇します。
◎男性の喫煙は、活性酸素が精子の遺伝子を破壊し一酸化炭素が精巣の機能を低下させます。
こうして奇形精子ができやすくなり、運動率や受精能力が著しく低下します。
また、ニコチンの血管収縮作用により勃起障害がおこりやすくなります。
◎精子は75日間かけて作られるため、採精前の短時間禁煙は意味がありません。
では、間接的な喫煙となる副流煙はその場にいなければ大丈夫でしょうか・・・?
◎副流煙は室内に長時間有害物質が残ります。外で喫煙した場合も、喫煙後の人の吐く息からは3時間以上
有害物質が出続けます。また、衣類や室内のカーテンにつく匂いからも同様に有害物質がでており
これらは3次喫煙と言われています。タバコの煙が目に見えない、匂わないからと安心できません。
話題のⅰQOS(加熱式たばこ)は副流煙は大幅に減りますがニコチンはゼロではありません!
禁煙は治療を頑張る奥様への愛情と協力であり不妊治療のひとつです。
妊娠する可能性を少しでも上げるために、できることからはじめましょう。
不妊治療も禁煙もどちらもパワーがいります。
お互いの頑張りを励ましあっていけるといいですね。
ストレスがたまるから・・・と吸っていたタバコ、
かえってストレスになっているかもしれません。 ご夫婦の精子と卵子を守るため、産まれてくる赤ちゃんのために
今から禁煙に取り組んでいきましょう!