ドクターコラム
「CD138検査について」|リプロダクションセンター掲載日:2025年4月18日
新百合ヶ丘総合病院産婦人科に勤務しております、冨倉です。主に月曜日の午前中に外来を担当していますので、どうぞよろしくお願いいたします。
昨年12月にバレエを鑑賞した際のロビーの様子です。
公演や時期にあわせた装花をみるのも楽しみの1つです。-
まずは自己紹介として、最近のマイブームについてお話いたします。この1年、私の中でひっそりと熱いのはクラシックバレエ鑑賞です。多忙な時期にふと「非日常的な体験をしたい」と思い立ち、海外のバレエ団の来日公演のチケットを購入したのがきっかけでした。素晴らしい踊り、美しい衣装、緻密な舞台美術、荘厳なオーケストラによる生演奏…舞台に関わるあらゆるものに感動しました。それから国内のバレエ団の公演に足を運ぶようになり、熱は高まる一方です。華やかな舞台ですが、まずバレエ団で踊ることが出来る人は僅かで、そこで役を貰い踊ることが出来る人は更に限られます。これはバレエに限らず、スポーツでも、仕事でも、何事にも共通ですが、努力している人を応援したいという気持ちが、私を沼に引きずり込んでくれたように思います。週末にバレエを鑑賞すると、「月曜日から仕事を頑張ろう!」と元気をチャージでき、バレエのチケットを購入すると、「この日まで頑張ろう!」と仕事や生活のモチベーションに繋がります。
CD138検査について
さて、皆さんに当院での不妊治療について知っていただくために始めましたこのコラムも、今回で10回目となりました。この度、当院では新たにCD138検査が可能になりました。
慢性子宮内膜炎の原因は様々な細菌感染であることが報告されていますが、近年、着床障害との関連が指摘されています。排卵の前後に採取した内膜組織に免疫染色を行い、CD138抗原をもつ細胞の数を確認して、子宮内膜に慢性的な炎症があるか判断します。陽性と判断された場合、抗菌薬内服を2週間分処方いたします。これまでも子宮鏡検査の所見から慢性子宮内膜炎の存在を疑い、抗菌薬を処方することはありました。この検査により診断がしやすくなることが期待されます。治療経過に応じて医師からご案内をさせていただくことがありますが、主に移植が反復して不成功の場合に対象になります。費用は自費で13500円(税抜)(2025年4月現在)、保険で診療中の場合も、検査当日は自費診療になります。
2025年4月からも引き続き、11人体制でリプロ外来を担当いたします。4月には東京で開催される国際生殖医学会で、6人の医師が発表予定です。臨床だけでなく、学術活動にも力を入れ、新しい知見を取り入れて患者の皆さんにより良い医療を提供できるように努めて参ります。今後ともよろしくお願いいたします。
【引用参考文献】
北宅弘太郎. 産科と婦人科. 2016;5:553-7.