ドクターコラム

「葉酸と妊娠について」|リプロダクションセンター

産婦人科 医長 佐野 めぐみ

掲載日:2025年7月22日

産婦人科の佐野です。生殖外来でお会いする機会があった際には、どうぞよろしくお願いいたします。

私は無趣味なのですが、人と話すことが大好きで一番のストレス解消法です。新百合ヶ丘病院の職員の方はお話が好きな方が多く、私にとってとても魅力的な場所です。
さて、わたしは今回葉酸についてお話させていただきたいと思います。

妊娠と葉酸の関係

大事な栄養素である葉酸について、妊娠を考えている方で興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。

ビタミンB群に分類される葉酸。葉酸を補充することで、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させることが期待できると考えられています。

神経管は、脳や脊髄などの中枢神経系の基盤となるものですが、その形成過程に異常が生じると、脳や脊髄が体の外に露出してしまう神経管閉鎖障害が起こることがあります。

では、いつからどのように葉酸を補充すればよいのでしょうか。
神経管の閉鎖は妊娠6週で完成するため、妊娠が成立する1か月以上前から市販のサプリメントにより1日0.4mgの葉酸を補充することが推奨されています。

食品からの葉酸摂取と併せて、サプリメントでの葉酸補充を考えてみませんか。

さらに葉酸を多く含む食品もご紹介します!

葉酸を多く含む食品

葉酸を含む食材イラストイメージ

ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、のり、いちごなどです。お好きなものがあれば、意識して摂取してみてください。

※レバーはビタミンAも多く含むため、過剰摂取には注意が必要です。
また、ほかのビタミン(ビタミンC, B6, B12)も一緒に摂取することで葉酸の吸収を高めることにつながりますのでご興味ある方は成分をみて摂取をご検討ください。

神経管閉鎖障害の発症は色々な要因があるため、必ずしも葉酸補充ですべてが予防可能とはなりませんが、できることのひとつとして葉酸を意識していただければ嬉しいです。

【参考文献】
・産婦人科診療ガイドライン 産科編2023
・健やかなからだづくり食生活Book 厚生労働省 令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業