ドクターコラム

「ふたりで向き合う妊活の第一歩 〜不妊治療を考えはじめた方へ〜」|リプロダクションセンター

産婦人科 / リプロダクションセンター 医長 佐藤 美和

掲載日:2026-2-12

「このままでいいのかな」「一度、きちんと相談してみた方がいいのかもしれない」そんな思いが、ふと心に浮かぶことはありませんか。忙しい日々の中で、妊活のことはつい後回しになりがちです。ただひとつ言えるのは、「遅すぎる」ことは、とてももったいないということです。迷ったときは、「早めに相談してみる」ほうが、後悔しにくいケースが多いと感じています。

不妊治療を始めるタイミングに正解はありません

結論からお伝えすると、不妊治療を始めるタイミングに決まった基準はありません。ご自身で決めてよいものです。「まだ治療するほどではないかも」「もう少し自然に頑張ってから…」そう思われる方も多いと思います。

自己流の妊活でなかなか妊娠に至らない場合には、半年以内を目安に一度ご相談ください。排卵がうまく起こっていない、卵管が閉塞している、精子の状態に問題があるなど、自然妊娠が難しい原因が隠れていることも少なくありません。医療の力で解決可能な問題がある場合には、早めの対応が将来的な第2子・第3子へとつながります。

相談=すぐに治療ではありません

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  • まずは今の体の状態を整理し、必要な検査を行い、今後の選択肢を一緒に考えることから始まります。子宮筋腫、内膜ポリープ、卵巣腫瘍、子宮内膜症、卵管閉塞などが疑われる場合には、精密検査を行い、治療や手術の必要性や適切なタイミングについて、チームで検討し、ご夫婦にとって最善の選択となるよう迅速に対応します。

また、持病がある方については、他科と連携しながら、安全に妊娠・出産をサポートします。過去の検査結果があれば、お持ちいただけるとよりスムーズに話を進めることができます。

ふたりで向き合う妊活を

不妊治療は、女性だけの問題ではありません。不妊の原因の約半分は男性側の因子も関与しています。治療や検査の負担は、女性に偏りがちですが、パートナーと一緒に話し合い、同じ方向を向いて取り組むことが、心の大きな支えになります。お二人で対話を重ねながら、無理のないペースを一緒に見つけていきましょう。

妊活のペースは人それぞれでいい

不妊治療への向き合い方は、本当に人それぞれです。「すぐに妊娠したい」「できれば自然に任せたい」「治療に追われる生活は不安」どれも、間違いではありません。妊娠までの道のりは、短い場合もあれば時間がかかることもあります。途中で燃え尽きてしまわないことがとても大切です。夢中になれることや楽しいことは、どうか続けてください。

医療の力を使うことも前向きな選択です

2022年4月から、不妊治療は保険適用となり経済的な負担は以前より大きく軽減されました。これは、「不妊治療は特別なものではなく、必要な医療として社会全体で支える」というメッセージでもあります。私たちは、お二人の今の状態を正しく把握し、最善の道を一緒に考えるためのサポートを行います。

最後に

病院にかかるかどうか、迷うのは自然なことです。相談すること自体はとても気軽で、自然な一歩です。どうぞ、ひとりで抱え込まず、パートナーと一緒に、そして私たちと一緒に考えていきましょう。