看護師コラム
「心と体を整える時間 〜ヨガ×不妊治療〜」|リプロダクションセンター不妊症看護認定看護師 米田 泉
掲載日:2025年6月27日
不妊治療に取り組む日々の中で、私たちは「頑張る」ことにとても慣れてしまっています。診察、注射、採血、薬、通院のスケジュール管理…。その合間に仕事や家事をこなす日常。知らず知らずのうちに、心も体も緊張を強いられているのではないでしょうか。
ヨガとの出会い
私自身も、今年に入ってから体調がすぐれない日が続いていました。何か自分のためにできることはないかと模索していたとき、ふと出会ったのがヨガでした。
ヨガは、身体がかたくても、運動が苦手でも大丈夫。深く呼吸をしながら、ゆっくりと身体を動かしていくうちに、ふっと心が軽くなっている自分に気づきました。レッスンの間は、仕事や日々のストレスを忘れ、自分自身にやさしく向き合える時間になります。
不妊治療とヨガの相性
-
不妊治療において、「自律神経のバランス」や「血流の改善」「ストレスの緩和」はとても重要なキーワードです。実はヨガには、これらをサポートする力があります。
- 呼吸法により副交感神経が優位になり、リラックスモードに
- 骨盤まわりの血流がよくなることで、子宮や卵巣への血行促進
- ストレスホルモンの軽減と、睡眠の質の向上
つまり、ヨガは体だけでなく、妊活中の「心」にもそっと寄り添ってくれる存在なのです。
実際にやってみて・・・
ヨガを始めてから、私は風邪をひきにくくなり、便秘が改善し、お肌の調子も良くなりました。何より、「自分のための時間を持つ」ことが、心の安定につながったのです。
治療中は、「結果」が気になって焦ることも多いですよね。でも、ヨガをしていると、「今、この瞬間」に意識を向ける練習になります。呼吸に集中して、ただ自分の身体の声を聞く。そんな時間が、結果ではなく「プロセス」を大切にする感覚を思い出させてくれます。
無理のない一歩から
ヨガは特別な場所がなくても、マット一枚あれば自宅で始められます。動画やオンラインレッスンも充実していますし、「妊活ヨガ」や「リラックスヨガ」など、不妊治療中の方にやさしいプログラムもあります。
-
-
忙しい毎日だからこそ、5分でも10分でも、自分のための時間をとってみませんか?
「頑張る」ばかりではなく、「ゆるめる」ことも、治療の一部かもしれません。ヨガは治療の代わりではありませんが、治療を支える心強い味方になってくれます。
心と体を整えることで、あなたの治療がより健やかで穏やかなものとなりますように。