体外受精について
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体外受精について

胚培養士からのメッセージ

培養室の理念

 1978年に体外受精が初めて成功してから数十年、技術の進歩により沢山の手技や多くの機器及び培養液が開発されました。現在、日本には約600の不妊治療施設があり、おそらく1つとして同じ手技手法で体外受精を行っている施設はありません。体外受精の歴史は浅く、まだまだ何が正しいのか分かっていない部分が多々あります。そんな混沌とした技術革新のさなかで、出来る限り患者様の胚にとって良いと考えられる技術・機材・培養液・システムを採用しております。また無駄を省き、極力シンプルな仕事を心がけることで、日々の日常業務に余裕を持たせ、やるべき作業に集中するように心がけております。

培養室で特に力を入れていること

  • 取り違えの防止
  •  患者様の検体を取り違えてしまう事故は、日本国内でもいくつか報告されており、これが不妊治療領域において最も気を付けなければならない部分です。こういった、検体取り違えのミスをなくすために、当院では検体の移動の際に複数のスタッフによるダブルチェックを採用し、培養室の設計、培養方法、培養システムを工夫して、取り違えが起こらないように対策をしております。

  • 安定した技術の管理
  •  培養士個々人によって癖や僅かな技術の違いがあり、それによって成績が良くも悪くも変動する場合があります。当院では、培養士全員の成績を管理しモニタリングしています。モニタリングの結果を全員でディスカッションし、安定した技術の管理に努めています。

  • 安全で安心な機材の採用
  •  当院では最新の機材が発売されても、すぐに採用することはしません。新しい製品の考え得るメリット・デメリットを全員で考察し、エビデンスが確立されてから採用を検討します。

  • 体外受精のカスタマイズ
  •  毎日、培養士が採卵前日にミーティングを行い、患者様全員の情報を把握します。前回の体外受精結果、精液検査結果、各種検査結果をもとに、医師を交えてディスカッションし、各患者様にあった最良の方法を選択します。

  • 教育管理の徹底
  •  新人の教育は、必ず教育担当者が付き、独自の教育システムに則りトレーニングを行い、技術ごとに設けられた審査に合格したスタッフが患者様の胚を扱います。中途採用者は審査のみを行い、手技の違いは全員でディスカッションをして、新しい手技の採用の可否を行います。

  • 職場環境の改善
  •  優秀なスタッフが退職することで、培養室全体のクオリティや成績が下ることがあります。そこで、働きやすい職場環境、無理のない勤務体制を作るように努め、職場環境の改善に積極的に取り組み、離職率の低下に努めています。

  • 患者様への説明
  •  当院では、胚の詳しい説明は培養士が担当します。外来では時間がなくてなかなか聞けないことや、普段疑問に思っていることを聞いていただき、なるべく患者様の不安や疑問を解消できれば幸いです。



2012年10月1日 リプロダクションセンター培養室長 秋元 諭

◆略歴
麻布大学獣医学部動物応用科学科 卒業
2004年 聖隷浜松病院産婦人科、ARMT(高度生殖医療技術研究所)にて研修
2004年 ななほ・レディスクリニック(静岡県) 培養室長
2006年 ファティリティクリニック東京 培養室主任
2012年 新百合ヶ丘総合病院リプロダクションセンター 培養室長就任

◆資格
日本哺乳動物卵子学会 生殖補助医療胚培養士
家畜人工授精士(国家資格)
家畜体内外受精卵移植資格(国家資格)

◆学会発表
日本エンブリオロジスト学会・日本生殖医学会・日本受精着床学会等にて発表多数
2008年 第26回日本受精着床学会 ビデオセッション発表およびシンポジスト(顕微授精)