全胚凍結法|胚移植の方法について|体外受精とは

全胚凍結法とは

全胚凍結法とは、排卵誘発-採卵-媒精(または顕微授精)-胚盤胞培養して出来た良好胚盤胞を全て凍結し、その周期での胚移植は行わず、別の周期に子宮の着床条件を整えて融解胚移植する方法です。

凍結胚移植法の利点は、新鮮胚移植(排卵誘発周期にそのまま移植すること)とは違う子宮の着床条件下で胚移植できることです。通常新鮮胚移植時は、複数の卵を採取するために卵巣刺激した後なので、ホルモンが過剰に分泌し、胚移植時における子宮内膜の状態が非生理的となって着床に適さない場合があります。

このような人は、新鮮胚移植で妊娠しなくても余剰胚で凍結胚盤胞が確保されれば、次周期以降のより自然に近い子宮内膜の時に融解胚盤胞移植を行うことで妊娠されるわけです。卵巣機能が良く、沢山の胚盤胞が出来る人はこの方法で8割以上の方が妊娠されますが、卵巣機能が悪く、採卵数が少ないあるいは採卵数は多くても胚盤胞まで発育する胚が少ないか無い人の場合は凍結融解胚盤胞移植ができるチャンスが少なくなってしまいます。

そこで新鮮胚移植を2回以上試みても妊娠しなかった方に対して、1個でも胚盤胞が出来れば全て凍結し、採卵周期以後の周期に融解胚移植します。良好胚盤胞が複数個確保されるまで何回か採卵を繰り返すこともあります。

高い妊娠率が得られる方法ですが、あくまでも凍結可能な胚盤胞ができることが条件となりますので、胚盤胞まで発育しない方にはこの方法は使えず、妊娠する可能性は低いと推測されます。